屋内での活動が中心の人や、不規則な生活を送る忙しい人がビタミンDを摂取するのにはサプリメントを活用するのが手軽です。
そこで今回は、ビタミンDをサプリメントで摂取する際の飲み方や製品の選び方について解説します。
【目次】
サプリメントに効果的な摂取タイミングはある？
サプリメントは医薬品ではないため、記載がなければどのタイミングで摂取しても問題ありません。しかし、成分によって食前、食後、就寝前など、体内に吸収しやすいタイミングがあるため、意識してみても良いでしょう。
脂溶性ビタミンの摂取タイミング
ビタミンDは脂溶性ビタミンに分類されます。脂溶性ビタミンは水に溶けにくく、アルコールや油に溶ける性質を持ちます。
一方で、空腹時や食後2時間経過した食間時は吸収率がダウンするため、油を使用した料理を食べている途中、または食後すぐに摂取するのがおすすめです。
水溶性ビタミンの摂取タイミング
水溶性ビタミンは水に溶けやすく体外へ排出されやすいビタミンです。
水溶性ビタミンのサプリメントは、食材に含まれる成分を摂取することで吸収率がアップするため、ビタミンのサプリメントは基本的に食後に摂取すると良いでしょう。
特に水溶性ビタミンであるビタミンCのサプリメントは酸性度が高い製品が多く、空腹時に摂取すると胃腸に負担をかける可能性があるため注意が必要です。
このほかにも、空腹時や満腹時に摂取することで吸収率が下がってしまう成分のサプリメントがあります。
サプリメントに合う飲み物とは
サプリメントを飲む際、お水やお茶に限らず、手元にある飲み物で飲む人もいるでしょう。
しかし、水道水には残留塩素が含まれているため、ビタミンを分解してしまう可能性があるほか、お茶やジュース、コーヒーは栄養素の吸収を妨げる原因になるため、サプリメントを飲むにはあまり適していません。
より一層、サプリメントの成分を摂取するためには、ミネラルウォーターや白湯、浄水器を通した水で飲むのが良いでしょう。
お水でサプリメントを飲むのが苦手な場合や一粒が大きく飲みにくい場合には、服薬ゼリーの利用がおすすめです。服用ゼリーは味が付いているタイプもあるため、好みのゼリーを探してみましょう。
ビタミンDと一緒に摂取すると良いサプリメントはある？
ビタミンDの吸収率を落とさず、成分も被らないサプリメントとしてカルシウム、ビタミンK、オメガ3脂肪酸などが挙げられます。
ビタミンDには、カルシウムの吸収率を上げる働きがあり、ビタミンKは吸収したカルシウムを骨や歯へ定着させる役割を担っている成分です。
オメガ3脂肪酸は青魚に多く含まれており、脂肪の中でも健康効果が高く、血液循環の改善や動脈硬化の予防に期待できるといわれています。ビタミンDは脂肪と一緒に摂取することで吸収率がアップするため、オメガ3脂肪酸のサプリメントを一緒に飲むことでビタミンDをより効果的に吸収できるでしょう。
複数のサプリメントを摂取するときの注意点
サプリメントは複数の成分が配合されている製品も多く存在します。忙しい人にとっては、足りない栄養素を一度にまとめて摂取できるので、配合されたサプリメントは非常に便利です。
しかし、サプリメントの成分が被ってしまうと過剰摂取の恐れもあるため、複数のサプリメントを摂取する場合には注意しましょう。
中には食事のみで十分摂取できている成分もあり、その場合には推奨摂取量を超えてしまう可能性も考えられます。サプリメントの用法用量を守っていれば上限摂取量を超えることは考えにくいですが、その日の食事や体調によって摂取するサプリメントを変更、調節すると良いでしょう。
水溶性ビタミンは過剰に摂取した場合は尿として排出されますが、脂溶性ビタミンは体内に蓄積され身体に負担がかかるため、摂取推奨量の上限までをサプリメントで賄うのは避けた方が良いかもしれません。
サプリメントは、食事では足りない分の栄養を補うものと考えましょう。
安全なビタミンDサプリメントの選び方
身体の健康を考えて、サプリメントや特定保健用食品（トクホ）などを利用する人も多いでしょう。足りない栄養素を手軽に補えることはサプリメントのメリットですが、正しい選び方を知らない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、サプリメントを選ぶ際のポイントについてを解説します。
添加物で選ぶ
サプリメントを選ぶときは、原材料の確認が欠かせません。粗悪なサプリメントの場合、有効成分があまり入っておらず、およそ7割が香料や保存料などの添加物が占めている製品もあります。
特に水を必要としないチュアブルは、甘味料や香味料を多く使用している傾向にあります。しかし、サプリメントに使用する添加物全てが悪い訳ではありません。サプリメントは製造の工程上、どうしても添加物を使用しなければならないからです。
無添加でサプリメントを作ると、製品の品質を均一にできなくなり品質の問題が発生します。また、添加物の中には乳糖やブドウ糖のように食品に近いものもあるため、最低限の添加物は必要と覚えておきましょう。
原材料は含有量が多い順に記載されているため、添加物や有効成分がどの程度入っているのか、確認して購入すると安心できます。
GMPの認定マークで選ぶ
サプリメントには、原材料の産地や生産方法、加工過程により品質が安定しないものもあります。そのため、サプリメント選びには品質管理がきちんとされているかも重要なポイントのひとつです。
そこで、サプリメントを選ぶ判断材料として役立つのが適正製造規範、通称GMPです。GMPは製品が安全に作られ、品質を一定に保つために定めたもので、製造の工程管理基準を満たしている工場には、GMPの認定マークが付与されます。
GMP認定は製品ごとに申請が必要で、一度認定されたとしても3年ごとに更新をしなくてはいけません。また、認定期間中は1年に1度実地調査が行われるほか、セミナーの受講が義務付けられているなど、認定後も継続して品質の維持に努める必要がある厳しいものです。
サプリメントは食品のため、医薬品のようにGMPを全て守る義務はありません。それでもこのGMPの厳しい基準を守っている製品は安心安全といえるでしょう。
ビタミンDの含有量で選ぶ
厚生労働省によると、ビタミンDの推奨摂取量目安は成人の場合、1日あたり8.5μgとされています。
また、人間はビタミンDの多くを日光に含まれる紫外線から摂取していることもあり、普段の食事や屋外の活動量によって、摂取量を調整しやすいサプリメントを選ぶようにすると良いでしょう。
ビタミンDの摂取できる上限は100μgなので、1錠あたりのビタミンDの含有量を知ることで、サプリメントの量を調整しやすくなります。
ビタミンDの単位は現在「μg」が主流ですが、以前は「IU」で表示されていたため、製品によってはIU表記の場合があり注意が必要です。1μgは40IUに相当します。1日の上限である100μgの場合、IU表記では4000IUとなるため、単位を間違えないようにしましょう。
ビタミンDはサプリメントで効率よく摂取しよう！
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【出典】
・厚生労働省医薬食品局食品安全部｜健康食品の正しい利用法より
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/dl/kenkou_shokuhin00.pdf
・厚生労働省｜日本人の食事摂取基準（2020年版）
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
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