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アルギニンとはどういう成分?男性と女性で働きは違う?

アルギニンとはどういう成分?男性と女性で働きは違う?

「アルギニンという言葉を聞いたことがあるけど、どんな働きがあるのか?」「男性と女性で働きが異なるのか?」など気になる方も多いのではないでしょうか。アルギニンは特に運動に関する方々の間では筋肉増強といった働きで有名ですが、一般的に健康維持にも寄与します。

ほかにもいつからかスポーツ飲料や健康食品、シャンプーや化粧品、サプリメントなどさまざまな商品にアルギニンが付加されるようになり、美と健康には欠かせない栄養素の一つです。

そこでここでは、アルギニンとはどんな成分なのか、どんな働きがあるのか、男女別の働きなどをご紹介します。日々の健康や美容にお役立てください。

アルギニンとは

アルギニンとは

アルギニンとは身体が生きるために不可欠なたんぱく質を構成するアミノ酸の一つです。アミノ酸は必須アミノ酸と非必須アミノ酸に分類されますが、アルギニンは非必須アミノ酸に該当します。

アミノ酸の一種

アミノ酸の一種

アミノ酸とは、たんぱく質を構成する要素で、ヒトの身体の各部位の機能を維持するために欠かせない五大栄養素の一つです。20種類ありすべて揃ったときにたんぱく質の合成ができます。

アミノ酸は一つだけ摂れば良い訳ではありません。アミノ酸それぞれを一定量以上摂取することが良質なたんぱく質生成につながります。たんぱく質は筋肉や皮膚、髪の毛、骨などをつくるだけでなく、ホルモンや酵素の生成、免疫システムの機能維持にも関わっているのです。

非必須アミノ酸の一種

アミノ酸は体内で合成できない必須アミノ酸と体内で合成できる非必須アミノ酸に分類され、アルギニンは非必須アミノ酸です。

非必須アミノ酸という言葉は、そのアミノ酸が体にとって不要であるという意味ではありません。体内で自己生成が可能か不可能かであるだけで、その生成が十分に行われない状況や、特定のライフステージでは食事からの摂取が必要となり得ます。

たとえば過酷なストレスや病気、成長期などではアルギニンのような非必須アミノ酸の需要が多く、食事からの補給が求められます。

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アルギニンにはどんな働きがある?

アルギニンにはどんな働きがある?

アルギニンは成長ホルモンの生成、免疫反応、傷の治癒、肝臓機能の改善など多岐にわたり生体機能をサポートなど体内でさまざまな重要な役割を果たします。

健康に寄与する多様性からアルギニンは非必須アミノ酸であるにもかかわらず、その重要性は広く認識されています。以下で具体的にみていきましょう。

成長ホルモンを促進

アルギニンにはどんな働きがある?

アルギニンは、成長ホルモンの放出を促進します。成長ホルモンはヒトの身体が成長するための新しい細胞を生成し、老化した細胞を修復に不可欠です。体内の代謝を高める働きもあり、特に子どもや若者の身体の成長をサポートする役割を担っています。

また筋肉組織の成長と修復をサポートするプロセスにも関与します。たんぱく質合成を促して、筋肉を活性化させるのです。

このような理由からアルギニンは成長期の子どもや若者、スポーツ選手、フィットネス愛好家、または全般的に健康とウェルネスを追求する人々にとって、特に重要なアミノ酸とされています。

免疫力

アルギニンは免疫システムの役割を果たすマクロファージのサポートをし、免疫力強化に役立ちます。マクロファージはウイルスや細菌が体内に入ってきたときに捕食して、犯されないように身体を守るように働きます。

またアルギニンは一酸化窒素の生成にも関与します。一酸化窒素は、病原体を排除するために免疫細胞によって使用される強力な化学物質です。

さらにアルギニンはポリアミンを生成し、免疫機能に働きかけて抗炎症作用に役立ちます。一方、がん患者においては抑制する方向に働くため、体内の状況に応じて働きが異なるとされています。※出典

健康な方が免疫力アップとしてアルギニンを意識するのは良いですが、免疫に関する病気に罹患している方は必ず医師の指示を仰ぎましょう。

疲れの軽減

アミノ酸の一種

アルギニンは、疲労感の軽減に役立つとされています。 これはアルギニンが体内で一酸化窒素を生成する能力による部分が大きいです。

一酸化窒素は血管を拡張し、血流を改善する作用があります。これにより、酸素や栄養素が全身の細胞に効率的に浸透し、エネルギーレベルの維持と疲労感の軽減につながるのです。

またエネルギーの源であるATPの修復にも関わり、筋肉細胞を活性化する働きがあります。活動時には体内でクレアチンリン酸とADPからATPを産生し、休憩時には逆の反応が起こりいつでもATPを生産できる状況を保っています。

このエネルギー産生に関わるクレアチンリン酸はアルギニンの代謝物質とされているため、エネルギー産生には不可欠です。

以上のように、アルギニンは疲労感の軽減に取り組む多様な機能を持っています。正しい摂取により、日々の生活でのエネルギー維持や疲労感軽減のサポートが可能です。

男性・女性へのアルギニンの影響

アミノ酸の一種

アルギニンは男性と女性の両方において、血流を促す働きや性機能向上、肌の保湿に役立ちます。よりカッコよく、キレイになるためにもアルギニンは欠かせません。具体的な働きをみていきましょう。

血流を促す

アルギニンが生成する一酸化窒素は血管を拡張し、血流を改善します。これにより、全身の組織と器官への酸素と栄養素の供給が向上します。

これは心臓病のリスクを軽減する可能性や、記憶力や集中力の維持に関わる脳機能低下リスクの軽減など生活習慣予防にも不可欠です。さらに血流改善ができると、肩こり緩和や冷え性軽減といった日々の不調改善にも役立ちます。

また健康面だけではなく美容面でも意味をなします。美容の土台は健康体であったり、血流改善すると肌の血色が良くなったり、肌や髪に必要な栄養素が届いたりします。

このように血流改善の恩恵は計り知れません。

性機能向上

血流を促す

同じくアルギニンが生成する一酸化窒素の働きで血流を促すことによって、男性の勃起機能をサポートする可能性があります。また女性においても血流改善は恩恵があり、月経周期の調整や更年期障害の緩和が期待できるでしょう。

いずれにしても基本的な栄養バランスの取れた食事、睡眠、運動が基本です。アルギニン摂取だけではなく、生活習慣を整える意識を持ちましょう。

肌の保湿

肌の保湿

アルギニンは皮膚細胞の代謝を促進し、肌のターンオーバーを支援します。ターンオーバーとは古い皮膚細胞が効率的に除去され、新しい健康な皮膚細胞を生み出す働きです。保持能力を高め、乾燥から肌を守る助けとなります。

さらに、アルギニンは一酸化窒素を産生し血流を改善する働きがあります。血流が改善すると肌に必要な栄養素と酸素の供給が増え、血色の良い肌が期待できるでしょう。栄養素と酸素が豊富であると、皮膚細胞は正常に機能し、元々の肌の働きである保湿機能の維持が可能です。

また、アルギニンはコラーゲンの生成をサポートするとも考えられています。コラーゲンは肌の柔軟性と潤いを保つために重要なたんぱく質です。コラーゲンの生成促進により肌の保湿状態が向上します。

まとめ

アルギニンは、体内で多様な働きを持つ非必須アミノ酸で、成長促進、免疫力向上、疲労の軽減などの重要な役割を担っています。ほかにも、男女の性機能向上や肌の保湿にも役立ち、よりカッコよく、より美しくなれる可能性が高まるでしょう。

アルギニンは非必須アミノ酸のため日々の食事から摂取可能です。栄養バランスの取れた食事、適度な運動、睡眠を行ったうえでアルギニン摂取を意識すると、健康維持を期待できます。

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【出典】
・自治医科大学附属さいたま医療センター|がん治療と栄養療法〜最近の話題から〜|がん病態と栄養成分 -ポリアミン、脂肪酸、ポリフェノールについて-
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspen/26/5/26_5_1211/_pdf/-char/ja

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