市場にはたくさんのサプリメントが溢れています。トレーニングやダイエットのためにサプリメントからアルギニンを摂取したいと思っても、選び方に悩まれる方も多いでしょう。
そこで今回は、アルギニンの働きやおすすめの選び方、服用時の注意点をご紹介します。
【目次】
トレーニングやダイエットをサポート
アルギニンは栄養補給だけでなく脂肪分解や筋肉状態など、トレーニングやダイエットを行う人にとっての強力なサポートとなります。
脂肪分解
アルギニンが一酸化窒素(NO)に変換されると、成長ホルモンを促します。ヒトの脂肪細胞中にある中性脂肪を分解し脂肪燃焼作用を発揮するのは成長ホルモンです。
一方、脂肪を分解するだけでなく、脳細胞と連携して食欲を刺激して脂質を保つ働きもあります。つまり、成長ホルモンの働きは脂肪燃焼と脂肪蓄積のバランス調整です。
脂肪燃焼に良いからといってアルギニンを大量に摂取し体内の分解する脂肪が少なくなると、脂肪を蓄積するように働くため適切な量の摂取を心掛けましょう。
筋肉増強
成長ホルモンのレベルが上昇すると筋肉組織の修復と成長が促進され、トレーニングの結果として得られる筋肉増加が最大化されます。ハードトレーニングを行った後の筋肉の回復にとって特に有益です。
アルギニンサプリメントの選び方
アルギニンを効率よく摂取するためには、サプリメントが選択肢に挙げられます。
サプリメントを選ぶ際に重要なポイントは配合量、他成分との組み合わせ、そして形状です。基本事項をチェックしたうえで、自分の体質や目的に合ったサプリメントを選びましょう。
配合量
アルギニンサプリメントを選ぶ際の最も重要なポイントの一つは、その配合量です。
各サプリメントにはそれぞれ異なる量のアルギニンが含まれています。摂取量の目安としては一般的に2,000〜4,000mgが目安とされていますが、厚生労働省では決められていません。
基本的に食べ物から摂取する場合では起こりにくいといわれています。サプリメントをあまりに大量に摂取しすぎると腹痛や下痢などの副作用のリスクもあるので気をつけてください。目安摂取量を参考に、必ず1回摂取でどれくらいのアルギニン量を摂取できるのか確認してから飲みましょう。
他成分があるか
アルギニン以外に配合されている成分の確認も行いましょう。特定の成分と一緒にアルギニンを摂取するとその働きを高めたり、新たな健康作用を引き出したりできるためです。
たとえばシトルリンはアルギニンとともに摂取すると、アルギニン単体を摂取するよりも血流改善の働きが期待できます。
シトルリンは体内でアルギニンに変化し、アルギニンの働きを補完し持続させるためです。そのため、アルギニンとともにシトルリンを摂取するとトレーニングのパフォーマンスを向上できるでしょう。
またオルニチンを配合していると、オルニチン回路が促進され尿素分解の働きが期待できます。
ほかにも亜鉛を配合していると免疫機能向上や胎児・乳幼児の成長発達、創傷治癒、味覚・嗅覚のサポートも期待できたり、ビタミンB群を配合しているとクエン酸回路を促進しエネルギー生産が期待できたりとメリット多数です。
形状
サプリメントには、粉末タイプとカプセルタイプとがあります。飲みやすい、対象者にあっているといった目的別で選ぶと良いでしょう。
具体的にはアルギニンは独特な味わいがあるので苦手な方にはカプセルタイプがおすすめです。またお子さんが飲むときにも、カプセルタイプの方が苦味を感じずに飲み込めるでしょう。
また水分と一緒に摂りたい方は粉末タイプがおすすめです。水分は水だけでなく、お茶やコーヒー、ココアやオレンジジュースなどと一緒に飲む方法もあります。
もし粉末タイプの香りに邪魔をされたくない場合は、ノンフレーバータイプもおすすめです。ただし、水以外だとカロリーや糖質も一緒に摂取してしまうことも念頭において飲みましょう。
服用で注意すること
アルギニンは多くの健康作用を期待できますが、サプリメントとして摂取する際にはいくつかの注意点があります。そのためサプリメントを選ぶ際や摂取する際には、一人ひとりの健康状態や体質、生活習慣を考慮したうえでしっかりと行いましょう。
国内の衛生基準
サプリメント選びでは、安全性と信頼性が重要な要素です。日本国内で製造されたサプリメントは食品衛生法に定められている厳しい衛生管理のもとに製造されているため、比較的その品質と安全性に対する信頼性が高いです。
さらに、GMP(Good Manufacturing Practice)認証を受けている製品を選ぶこともおすすめです。GMPは製薬工場が製品の品質を一定に保つための製造管理・品質管理の基準をクリアした商品のみ認定許可がおります。GMPを受けている製品は、比較的安心して購入できるでしょう。
衛生基準を満たしたサプリメントを選ぶことで、安全なアルギニンの摂取が可能です。購入前にはしっかりと製品情報を確認し、信頼できる製造者や販売者から購入しましょう。
年齢
アルギニンは人間の体内で自然に生成されるアミノ酸であり、食事からの摂取が可能です。そのため基本的には全ての年齢層が利用できますが、摂取量に注意が必要となる場合もあります。
まず子どもは体重が軽いため、大人と同じ量のアルギニンを摂取すると過剰摂取となる可能性があります。正しい摂取量は子どもの年齢や体重、全体的な健康状態になるので、専門家へ相談しましょう。
一方、高齢者は適切な摂取量は通常の成人よりも高くなる場合があります。相互作用を起こす可能性もありますので、薬を服用している方は医師に相談しましょう。
また特定の病状を持つ方、特に心臓病や血圧を気にする方はアルギニンの摂取に意識的になる必要があります。アルギニンは血管を広げる作用があるため、これらの状況下では影響を受ける可能性も少なくありません。
妊娠中・授乳中
妊娠中や授乳中の女性は自分自身だけでなく、子どもの健康も考慮する必要があります。アルギニンは体内で生成され、食品からも摂取できるため基本的には安全と考えられます。
ただし、妊娠中や授乳中の女性による大量摂取はおすすめできません。サプリメントとして摂取する際には医師と相談しましょう。
さらにアルギニンは一酸化窒素(NO)を発生させて血管を広げ、血流を改善する作用があるため、血圧に影響がある可能性があります。妊娠前は健康な方でも、妊娠中には妊娠高血圧などに罹患しやすくなるので注意が必要です。
まとめ
アルギニンは、成長ホルモンを分泌促進させ、筋肉増強や脂肪分解をサポートし、トレーニングやダイエットに重要な役割を果たします。
アルギニンサプリメントを選ぶ際には、配合量とほかの含有成分に注目しましょう。適切な量のアルギニンを含むものを選ぶ、可能であればシトルリンやほかのアミノ酸を含むものを選ぶと、アルギニンの働きを最大限に引き出せる可能性が高まります。
ほかにも製品が国内の衛生基準を満たしているか、自分の年齢や健康状態に適しているかなどを確認することが重要です。妊婦や授乳中の女性は、医師と相談した上でサプリメントを摂取することを強く推奨します。
アルギニンは我々の健康にとって重要な役割を果たしますが、その働きを最大限に活かすためにも適切な摂取量と選択、そして適切な使用方法を実践しましょう。
【出典】
・国立保健医療科学院|アルギニン|
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2005/058041/200501038B/200501038B0004.pdf
・街ぐるみ認知症相談センター|老人病研究所の研究紹介:成長ホルモンの話|
https://www.nms.ac.jp/sh/ignms/soudan/hpb/pdf/NewsletterVol3(A4).pdf
・厚生労働省|eJIM『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』|亜鉛|
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/12.html#:~:text=%E4%BA%9C%E9%89%9B%E3%81%AF%E5%85%A8%E8%BA%AB%E3%81%AE%E7%B4%B0%E8%83%9E%E3%81%AB%E5%AD%98%E5%9C%A8%E3%81%97%E3%80%81%E5%85%8D%E7%96%AB%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0,%E4%BA%9C%E9%89%9B%E3%82%92%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82