ポリフェノールは抗酸化作用だけでなく、抗炎症作用や血流改善、コレステロール低下といったさまざまな健康機能が人気です。そのポリフェノールは食品に自然に含まれています。
本記事では、ポリフェノールが多く含まれる飲み物と食べ物をランキング形式で紹介します。それぞれの食品に含まれるポリフェノールの種類とその量、そして種類によって異なる健康機能についても詳しく解説しているので、参考にしてください。
【目次】
ポリフェノールが多い飲み物ランキングとその理由
まずはポリフェノールが多い飲み物をランキング形式でご紹介します。
1.赤ワイン
ポリフェノールの一種であるレスベラトロールという成分が多く含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用があるといわれていますが、人においてや大規模においての有効なデータは現状ないとされています。
また赤ワインはアルコールも含むため、その点を留意して適度に摂取しましょう。
2.コーヒー
コーヒーは主にポリフェノールの一種であるクロロゲン酸と呼ばれる成分が含まれます。クロロゲン酸は抗炎症作用があり、うつ病に関連する低度の炎症を抑えることで、うつ病抑制につながる可能性があるという研究もあります。一方でカフェインも含むため、摂取量や摂取する時間帯には注意が必要です。
3.緑茶
緑茶は日本を代表する健康飲料であり、カテキンというポリフェノールが含まれています。カテキンは抗酸化作用や抗ウイルス作用、抗炎症作用を持つといわれていますが、人における研究データは乏しいのが現状です。
4.紅茶
紅茶に含まれているポリフェノールは、テアフラビンとテアルビジンです。ある機能性表示食品として、テアフラビンとしての高分子紅茶ポリフェノールが、脂肪の吸収を抑えて、血中の食後中性脂肪値の上昇をゆるやかにする働きがあると認められています。
5.トマトジュース・野菜ジュース
トマトジュースや野菜ジュースにもポリフェノールが含まれています。特にトマトにはリコピンが含まれており、リコピンには抗酸化作用が期待されています。また、市販のジュースには糖分が多く含まれる場合も多くありますので、成分表示をよく確認して選びましょう。
6.ココア
ココアには、カカオフラバノールというポリフェノールが含まれています。このフラバノールは、抗酸化作用があるため心血管系に役立つほか、脂質代謝や脳との関連もあるという研究報告があります。しかし加糖されたココアには砂糖が多いので、その点は注意が必要です。
7.ウーロン茶
ウーロン茶には紅茶と同じテアフラビンとテアルビジンが含まれています。また脂肪の吸収を抑えるトクホ認定がされている黒烏龍茶にもポリフェノールが含まれており、一般的なウーロン茶よりも量が多いとされています。
一方、カフェインも含むため、過剰摂取や妊婦中の摂取、薬を使用されている人の摂取には十分注意しましょう。
8.豆乳
豆乳は大豆から作られていますが、その大豆にはイソフラボンというポリフェノールが含まれており、特に女性ホルモンに似た働きをするといわれています。骨密度の維持や更年期障害の緩和、抗酸化作用があるとされる研究と、そのような結果はないという研究がある状態です。
9.フルーツジュース
フルーツジュースは、特にオレンジやブルーベリー、ぶどうなど、多くの種類のポリフェノールを含むフルーツから作られます。これらのフルーツは、抗酸化作用のあるビタミンCとともに、ケルセチンやアントシアニンといったポリフェノールも含まれています。
しかし、フルーツジュースは糖分が多く含まれる場合があり、その点には注意が必要です。
10.麦茶
麦茶は、穀物由来の大麦が原料のため非カフェインの飲み物で、ケルセチンというポリフェノールが含まれています。カフェインが含まれていないので、子どもや妊婦の方でも安心して飲めます。
ポリフェノールが多い食べ物ランキングとその理由
飲み物だけでなく、食べ物にもポリフェノールが含まれています。ポリフェノールが特に多く含まれる食べ物をランキング形式でご紹介します。
1.モロヘイヤ
生100g当たり640mg含まれており、ケルセチンというポリフェノールが豊富に含まれています。
2.落花生
ゆで100g当たり410mg含まれています。特に薄皮にポリフェノールが含まれている点が特徴です。
3.ごぼう
生100g当たり340mg含まれています。特に根部分にはクロロゲン酸などのポリフェノールが含まれています。
4.たけのこ
ゆで100g当たり320mg含まれています。
5.サニーレタス
生100g当たり250mg含まれており、赤紫色の部分にはアントシアニンといったポリフェノールが含まれています。
6.オクラ
生100g当たり220mg含まれており、特にオクラの種子に、ポリフェノールが多く存在します。
7.とうがらし
生100g当たり200mg含まれています。フラボノイドという種類のポリフェノールが含まれています。
8.しゅんぎく
生100g当たり190mg含まれており、ケルセチンというポリフェノールが含まれています。
9.べいなす
生100g当たり180mg含まれています。なすの皮が紫色なのは、ナスニンという特定のポリフェノールが含まれている証拠です。
10.れんこん
生100g当たり160mg含まれており、タンニンと呼ばれるポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールが少ない飲み物は
ポリフェノールが少ない飲み物は、炭酸飲料や多くのアルコール飲料、特にビールやウォッカが挙げられます。また市販のフルーツジュースも加工過程でポリフェノールが失われることが多く、注意が必要です。
特に問題なのは、砂糖や人工甘味料、着色料などの添加物が多く含まれている飲み物です。これらはポリフェノールをほとんど含まず、場合によっては健康に悪影響を与える可能性もあります。
ポリフェノールを摂り過ぎると？副作用はあるのか
ポリフェノールは多くの健康への影響が期待される成分ですが、過剰摂取には注意が必要です。消化器系に負担をかけるため、特に敏感な人は胃痛や下痢をする可能性があったり、一部の薬との相互作用があったり、アレルギー反応が起こる可能性があったりいます。
ポリフェノールは健康促進のために有用な成分ですが、「多いほど良い」というわけではありません。 過剰摂取による副作用や健康リスクもあるので、バランスの取れた食事と一緒に、適量を守ることが最も大切です。
まとめ
本記事では、ポリフェノールが多く含まれる飲み物と食べ物について、ランキング形式で紹介しました。確かにポリフェノールは嬉しい働きをしてくれますが、過剰摂取は不調を来す元となります。栄養バランスの摂れた食事をベースに、適度にポリフェノールを摂取しましょう。
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【出典】
・2009 Feb 25;57(4):1253-9. doi: 10.1021/jf802418j.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19187022/
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