健康食品とは？定義やサプリメントとの違い、選び方など

健康や美容への意識が高まるなか、「健康食品」という言葉を耳にする機会も増えています。しかし、そもそも健康食品とは何なのか、サプリメントとの違いや正しい選び方をきちんと理解している方は少ないかもしれません。

本記事では、健康食品の定義や種類、選び方のポイント、摂取時の注意点まで、基礎から丁寧に解説します。

健康食品とは？定義や具体例を簡単に解説

いわゆる健康食品といわれているものは大きく2つに分けられます。何を指すのかみていきましょう。

保健機能食品（機能性表示食品、栄養機能食品、特定保健用食品）

保健機能食品は、健康の維持や増進を目的とし、国の制度に基づいて機能性を表示できる食品です。主に以下の3つのカテゴリーに分類されます。

特定保健用食品（トクホ）
食品に含まれた保健効能成分の摂取により、有効性や安全性が科学的に認められた食品で、「おなかの調子を整える」などの表示が可能です。販売には国の個別審査と許可が必要で、許可マークが付与されます。

栄養機能食品
ビタミンやミネラルなどの栄養成分を補う目的の食品で、国が定めた基準を満たせば、届出なしで販売可能です。「カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素です」といった表示が認められています。

機能性表示食品
企業が科学的根拠に基づき機能性を表示する食品で、販売前に消費者庁へ届出が必要です。ただし、特定保健用食品のような国の個別審査はありません。

その他のいわゆる健康食品

「その他のいわゆる健康食品」とは上記以外のいわゆる健康食品をいい、法的な定義や国の制度に基づく認可を受けていないものの、健康の維持や増進を目的として販売・摂取されている食品です。

これらは一般的に「健康食品」と称されることもありますが、特定保健用食品や栄養機能食品、機能性表示食品といった保健機能食品とは異なり、国の審査や届出制度の対象外です。

健康食品とサプリメントとの違い

「健康食品」と「サプリメント」の名称はよく混同されがちですが、どちらの名称にも行政的な定義はなく、呼称による違いがあるだけです。健康食品は、広く健康の維持・増進を目的とした食品全般を指し、保健機能食品（特定保健用食品・栄養機能食品・機能性表示食品）、そしてサプリメントも含まれます。

一方、サプリメントは特定の成分が濃縮された錠剤やカプセル、粉末等の形態で栄養成分を補給することを目的に提供される製品を指して使われることが多い印象です。

どちらの名称も広く健康の維持・増進を目的とした食品全般であることに変わりはありませんが、ご自分の使用目的や形状に応じて適切に選択し、上手に使い分けることをお勧めします。

健康食品のGMPマークとは

GMPマークは、健康食品の製造において「適正製造規範（Good Manufacturing Practice）」を遵守していることを示す認証マークです。原材料の受け入れから製造、出荷までの全工程で製品が安全につくられ、一定の品質が保たれるようにするための製造工程管理基準を意味します。

特に錠剤やカプセル状の健康食品は製造過程で濃縮や混合などの作業が行われるため成分量にばらつきが出たり有害物質が混入したりする可能性がありますが、GMPマークの製品は品質と安全性が第三者機関によって認められているため、安心して選ぶことが可能です。

健康食品の選び方

実際に購入するときに意識して欲しいポイントを3つ紹介します。

使用目的に合っているか

ダイエット、筋力アップ、疲労回復、腸内環境の改善など、目的によって適した成分や製品は大きく異なります。たとえば、筋トレをしている方にはたんぱく質やBCAAを含むサプリメント、腸活を重視する方には乳酸菌や食物繊維を含む製品が適しています。

なんとなく体に良さそうだからと選ぶのではなく、自分の生活習慣や体調、目指す健康状態に合った成分が含まれているかを確認しましょう。また、医師や管理栄養士など専門家の意見を参考にするのも有効です。

飲みやすいか

どれほど効果が期待できる成分が含まれていても、味やにおいが苦手だったり、錠剤が大きすぎて飲みにくいと感じたりすると、習慣化が難しくなります。特に健康食品は継続してこそ効果を実感しやすいため、自分にとって無理なく続けられる形状や風味を選ぶことが大切です。

たとえば錠剤やカプセルが苦手な方にはドリンクタイプや粉末タイプ、ゼリータイプなども選択肢になります。まずは少量パックなどで試し、自分に合った飲みやすい製品を見つけると良いでしょう。

継続できる価格か

健康食品は、一度だけ摂取して効果が出るものではなく、継続してこそ健康維持や体調改善に役立つものです。そのため、価格が自分の生活スタイルに無理なく収まるかどうかは、製品選びにおいて重要なポイントです。

高価な商品でも継続できなければ意味がありませんし、逆に安価すぎる製品では成分の品質や安全性に不安が残ることもあります。月々の予算をあらかじめ決めたうえで、コストパフォーマンスの高い製品を選ぶことが理想です。

また、定期購入割引やまとめ買いの制度を活用するのも、負担をおさえて継続するコツのひとつです。

健康食品を摂取するときの注意点

健康食品を摂取する際は以下の3点に留意して、健康的に活用しましょう。

あくまでも食事の補助の役割

健康食品はあくまでも「食事の補助」として活用するものであり、主食や副菜の代わりになるものではありません。栄養バランスのとれた食生活を基本とし、不足しがちな栄養素や特定の健康目的を補うために取り入れるのが正しい使い方です。

たとえば、忙しい日々で野菜が不足しがちな方が、ビタミンやミネラルを補う目的で健康食品を使うのは有効ですが、それだけに頼ってしまうとかえって健康を損ねる可能性もあります。

まずは毎日の食事の内容を見直し、それでも補いきれない部分をサポートする「＋α」として健康食品を取り入れることが、長く健康を維持する秘訣です。

摂取量を守って摂取する

健康食品は、適切な摂取量を守ることが大前提です。「たくさん摂ればより健康になる」と誤解して過剰に摂取すると、体に負担がかかるだけでなく逆に健康を損ねるかもしれません。

たとえば脂溶性ビタミン（ビタミンAやEなど）は体内に蓄積されやすく過剰摂取によって頭痛や吐き気、肝機能への影響が出る場合や、特定の成分の過剰摂取により、ほかの栄養素の吸収が妨げられる場合などもあります。

パッケージに記載された摂取目安量や製品ごとの注意事項をよく読み、用法・用量を守って摂取しましょう。体調やライフスタイルに不安がある場合は、専門家に相談するのもおすすめです。

薬との併用は医師や薬剤師と相談を

健康食品を薬と併用する場合は必ず医師や薬剤師に相談してください。健康食品のなかには特定の成分が医薬品と相互作用を起こし、薬の効果を強めたり弱めたりする可能性があるからです。

またサプリメントに含まれる成分が、薬の吸収や代謝を妨げるケースも報告されています。

自己判断で健康食品を追加するのではなく現在の服薬状況を医療従事者に伝えたうえで、安全に活用するよう心がけましょう。健康への配慮こそが、より良い選択につながります。

まとめ

健康食品は日々の食事や運動と組み合わせた活用で、より健康的なライフスタイルをサポートしてくれます。目的や成分をしっかり見極め、無理なく続けられる製品を選び、正しい知識を持って自分に合った健康食品を賢く取り入れましょう。

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