黒糖というと健康的なイメージがありますが、なぜ健康にいいのかをご存知でしょうか。おそらく、具体的に説明できる方は少ないでしょう。
そこで今回は、黒糖がなぜ健康的なのか、そもそも黒糖とは何なのか、黒糖の種類などをご紹介していきます。
【目次】
黒糖とは
黒糖について、定義や産地、栄養、ほかの黒糖との違い、白い糖との違いの面からみていきましょう。
黒糖の定義
沖縄県黒砂糖協同組合沖縄県黒砂糖工業会の定義によると、以下2点の条件を満たしたものを黒糖といいます。
・主な生産地が沖縄県や鹿児島県の離島で、サトウキビの絞り汁を自然のまま煮沸して濃縮し、加工せずに冷却して製造したもの。含蜜糖の代表的な糖。
・糖分以外にもカリウムやカルシウム、鉄分などのミネラルを含み、特有の香りや味わいがあるもの。
また黒糖のなかでも、上記の造り方は変わらず、組合に所属する工場で生産されるものは「沖縄黒糖®(沖縄県黒砂糖工業会の商標登録)」というそうです。昔ながらの製法で造られた黒糖を守るため、ブランド化しています。基準を満たしていれば、沖縄黒糖®の申請が可能です。
国内の産地
約9,000トンといわれる黒糖の国内生産地の約90%が沖縄県で、県内での主な生産地は8島(波照間島・与那国島・多良間島・小浜島・伊江島・粟国島・伊平屋島・西表島)です。
ほかの離島で製造ができない理由としては、十分な耕地面積がないためと考えられています。サトウキビの新鮮さが黒糖の品質を左右するので工場の近くでサトウキビ栽培を行う必要があります。
また当時、含蜜糖ではなく上白糖などの分蜜糖を造る方法も選べました。しかし分蜜糖は大規模な設備投入が必要で、ある程度の土地がある8島でも島の大きさには限度があるため、分蜜糖よりも小規模生産が可能な含蜜糖の製造が行われるようになったといわれています。
2023年時点では、沖縄県と鹿児島県を合わせて53つの黒糖製造工場があります。
黒糖の栄養_ミネラル
黒糖にはミネラルが多く含まれているイメージが強いですが、実際のところどうなのでしょうか。以下で、主な砂糖に含まれている主な栄養素を比較しています。参考にしたのは、文部科学省が発表している食品成分表です。
砂糖の種類 | 糖質g | カリウムmg | カルシウムmg | マグネシウムmg | 鉄mg |
---|---|---|---|---|---|
黒砂糖 | 13.5 | 170 | 36 | 5 | 0.7 |
和三盆糖 | 14.9 | 21 | 4 | 3 | 0.1 |
上白糖 | 14.9 | 0.0 | 0.0 | Tr | Tr |
三温糖 | 14.9 | 2 | 1 | 0.0 | 0.0 |
グラニュー糖 | 15.0 | Tr | Tr | 0.0 | Tr |
※すべて15g(約大さじ1杯)あたりの値
イメージ通り、黒糖はほかの砂糖よりもミネラルが多く含まれていることがわかります。ただし糖質量をみると大さじ1杯に対して1g程度しか変わりません。
ミネラルを摂取したいからといって黒糖を多く摂ると同時に糖質も多く摂ってしまい、肥満や糖尿病の原因になってしまうでしょう。いつもの上白糖や三温糖、グラニュー糖を黒糖に代替する使い方がおすすめです。
黒糖の栄養_ビタミン
黒糖にミネラルが多く含まれていると分かりましたが、ビタミンはどうなのでしょうか。同じく食品成分表でほかの砂糖と比較してみました。
砂糖の種類 | ビタミンB1mg | 葉酸μg | パントテン酸mg |
---|---|---|---|
黒砂糖 | 0.01 | 2 | 0.21 |
和三盆糖 | 0.0 | 0.0 | 0.06 |
上白糖 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
三温糖 | Tr | 0.0 | 0.0 |
グラニュー糖 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
※すべて15g(約大さじ1杯)あたりの値
黒糖はほかの砂糖よりも多く含まれているビタミンはいくつかありますが、微量なのでそこまで大差はないと考えて良いでしょう。ビタミンの補給は黒糖からではなく、ほかの食材からの摂取が必要になります。
黒糖と加工黒糖の違い
黒糖は前述の通り加工を加えずに、サトウキビを絞る、煮詰める、濃縮する、攪拌する、冷却する、という流れで造られたものです。
一方で、煮詰めた後に遠心分離機を使って結晶糖にして造られる原料糖(上白糖やグラニュー糖などの分蜜糖の中間のようなもの)を使ったり、原料糖を黒糖に加えたりして造られたものが加工糖です。
黒糖の定義はあるものの、実際の流通では、原料糖に糖みつ(同じく黒糖製造中に加工して造られたもの)を加えたものが黒糖として売られている場合も一部あります。
加工されていない黒糖を選択したい場合には、「沖縄黒糖®」を選ぶと良いでしょう。
黒糖と黒砂糖の違い
平成23年3月30日消費者庁管轄の「食品表示に関するQ&A」において、黒糖と黒砂糖が同義と明文化されました。そのため2024年現在では、黒糖=黒砂糖の認識になります。
明文化がされる前は黒砂糖と記載されていても、加工黒糖や再製糖が含まれている可能性があり、品質の違いがありました。消費者も正しく理解せずに購入をしているケースも調査で分かったため、明文化の施行に至ったとされています。
黒糖と上白糖はどちらが体にいいか
よく問題に取り上げられる問題ですが、ミネラル分が多いという面では黒糖のほうが上白糖よりも良い影響はあると考えられます。
一方で、糖質の量やビタミンの量は大差がないので、糖質やビタミンの面からみるとどちらも変わりません。
また個人の食事内容によって黒糖からのミネラル補給の必要量も異なるため、そもそも体に必要といえるのかが個人個人で異なります。
何をもって体にいいのかを理解できると、自分の体にあった食材の選択が容易になるでしょう。
含蜜糖とは?砂糖の種類とその特徴
黒糖は代表的な含蜜糖の一つと前述しましたが、そもそも含蜜糖とはミネラル(=蜜)を含む砂糖をいい、黒糖のほかには和三盆があります。
一方、対になる言葉に分蜜糖が存在します。分蜜糖とは、ミネラル(=蜜)を取り除いた(=分)砂糖をいい、上白糖や三温糖、グラニュー糖などをいいます。以下でそれぞれの特徴をみていきましょう。
含蜜糖とその特徴
まずは含蜜糖である和三盆、黒糖の特徴をご紹介します。
和三盆
和三盆とは香川県発祥の含蜜糖で伝統的な製法で造られています。黒糖を造る過程に煮詰める作業がありますが、その後濃縮せずに、職人の手で糖蜜を絞り出して完成します。細かい粒度で口に入れると溶けやすい特徴から、高級和菓子に使用されている砂糖です。
黒糖
黒糖の特徴は上白糖と比較すると濃厚で、ミネラル独特の味わいがあります。サーターアンダギーやかりんとう、駄菓子に使用されています。
分蜜糖とその特徴
次に分蜜糖である上白糖、三温糖、グラニュー糖の特徴をご紹介します。
上白糖
一般的に日本では「砂糖」として利用されることが多いメジャーな砂糖です。料理、飲料、パン、菓子などあらゆる飲食品に使用されています。
三温糖
三温糖は見た目が茶色のため含蜜糖と間違われやすいですが、上白糖を煮詰めてカラメル化されたものなので、栄養素成は上白糖と似ています。カラメル化によって、上白糖よりも甘みを感じやすく少し苦味も感じるでしょう。その味わいが煮物や佃煮にマッチします。
グラニュー糖
上白糖よりも粒度が細かく癖がないため、紅茶やコーヒー、お菓子作りに使用されています。また世界で一般的な砂糖というとグラニュー糖が多いです。
黒糖は沖縄で約9割造られている伝統的な含蜜糖の一つ
黒糖について知っていただけましたでしょうか。今回記載した内容を参考に、ぜひ黒糖についての知識をアップデートしていただき、生活に活用いただければ幸いです。
また黒糖を手軽に取りたいときには、伝統的な製造工程で造られている沖縄黒糖®を使用した健康飲料「琉然菜果」がおすすめです。原材料のこだわりはもちろん、造り方、栄養のこだわりも重視しています。
原材料のこだわりは、沖縄黒糖®を含む沖縄食材を25種類使用しており、美味しさの面と栄養面のバランスを考えています。造り方のこだわりは、乳酸発酵です。乳酸発酵により使用している野草の強い苦味やえぐみを緩和させ旨みを醸してくれています。
最後に栄養のこだわりは、7種類のミネラル、18種類のアミノ酸、4種類の有機酸を含む点で、体に必要な栄養を補給できます。
健康食品の活用は、美味しくなければ続きません。そのため、「琉然菜果」は健康面も考えながら美味しくなるように何度も試行を重ね、完成しました。まずは一度、お試しください。
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