「亜鉛は髪に良い」といわれる一方で、「取りすぎるとはげる」という不安の声もあります。実際は、不足にも過剰摂取にも注意しながら適切に摂取することが大切です。
この記事では「亜鉛の取りすぎではげる」といわれる理由や、AGA・薄毛との関係、適切な摂取量を解説します。
なお、亜鉛そのものの働きや過剰症・欠乏症について詳しく知りたい方は「亜鉛とは?亜鉛の効果や亜鉛の過剰症・欠乏症など」の記事も参考にしてください。
【目次】
亜鉛の取りすぎではげるといわれる理由

亜鉛は髪の毛に必要な栄養素ですが、極端な過剰摂取によって体内のバランスが崩れ、薄毛や抜け毛へ影響する可能性があります。その理由を解説します。
亜鉛の過剰摂取による銅欠乏症が髪の毛に影響するため
「亜鉛の取りすぎではげる」といわれる理由のひとつが、銅欠乏症です。亜鉛と銅は小腸で同じ経路から吸収されるため、亜鉛を過剰摂取すると銅の吸収が妨げられます。
銅は、髪の毛の生成やメラニン色素の働き、抗酸化酵素(スーパーオキシドディスムターゼなど)の構成に必要なミネラルです。不足すると毛母細胞へ十分な栄養や酸素が届きにくくなり、髪の毛が細くなる、白髪が増える、抜け毛が増加するなどにつながる可能性があります。
胃腸の不調によって栄養素の吸収率が低下するため

亜鉛の過剰摂取は、胃痛や吐き気、下痢などの胃腸トラブルを引き起こす場合があります。
胃腸の状態が悪化すると、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素を十分に吸収できず、髪の毛の生成に必要な栄養素が足りなくなり、その結果、抜け毛や薄毛につながる可能性があります。
特に髪の毛の生成は体内でも後回しにされやすいため注意が必要です。「亜鉛の取りすぎではげる」といわれる背景には、こうした栄養不足の問題も関係しています。
AGAと亜鉛にはどんな関係があるのか

AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンのテストステロンが「5αリダクターゼ」という酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)へ変換されることで進行すると考えられています。DHTは髪の毛の成長期を短縮させるため、薄毛や抜け毛につながります。
一方、亜鉛には5αリダクターゼの働きに関与する可能性が報告されており、これが亜鉛とAGAの関係が注目されている理由です。ただし、亜鉛だけでAGAを予防・治療できるわけではなく、生活習慣や食事を含めた総合的なケアが大切です。
薄毛や抜け毛と亜鉛の関係
薄毛や抜け毛にはさまざまな原因があり、AGA(男性型脱毛症)だけが原因とは限りません。栄養不足や生活習慣の乱れによって髪の毛が細くなったり、抜け毛が増えたりするケースもあります。

特に亜鉛は、髪の毛の生成に必要なミネラルであり、不足すると髪の毛の成長に影響する可能性があります。そのため亜鉛不足による脱毛であれば、食事やサプリメントで適切に摂取することで健やかな頭髪をサポートできるかもしれません。
なぜ髪の毛の生成に亜鉛が必要なのか
髪の毛は主に「ケラチン」というたんぱく質からできており、その生成には亜鉛が必要です。特に髪の毛の構成成分であるシスチンは、必須アミノ酸のメチオニンから合成されますが、この過程で亜鉛が関わるとされています。
また、髪の毛は「成長期」「退行期」「休止期」を繰り返す育毛サイクルによって生え変わっており、亜鉛はこのサイクルにも関連すると考えられています。亜鉛不足になると、髪の毛が十分に成長する前に退行期へ移行し、薄毛や抜け毛につながる可能性があります。
こんな症状がある方は亜鉛不足かもしれない

亜鉛不足になると、薄毛や抜け毛の悩みだけでなく、さまざまな不調が現れることがあります。代表的な症状としては、髪のハリ・コシ低下、口内炎、味覚の違和感、疲れやすさなどが挙げられます。
こうした症状が複数かつ継続的にみられる場合は、食事内容や生活習慣を見直してみることも大切です。
亜鉛を摂り過ぎず適切に摂取する方法

亜鉛は「多く摂る」よりも「適切に摂る」ことが大切です。食事や生活習慣を含めた取り入れ方を以下で確認しましょう。
1日に必要な亜鉛摂取量の目安を知る
亜鉛は、摂取量が不足しても過剰でも体内のバランスに影響するため、適切な量を意識することが大切です。厚生労働省が提唱する日本人の食事摂取基準(2025年版)において、1日の亜鉛の摂取推奨量は成人男性で10〜11mg、成人女性で8mgとされています。
一方、耐容上限量(これ以上摂取すると健康被害リスクが高まるとされる量)は成人男性で40〜45mg、成人女性で30〜35mgとされており、サプリメントなどから摂取する場合には、1日のトータル摂取量を意識してください。
亜鉛を多く含む食事と吸収を妨げる食品を意識する
亜鉛を適切に摂取するには、サプリメントだけでなく毎日の食事を意識することが大切です。亜鉛は牡蠣や赤身肉、レバー、魚介類、ナッツ類などに多く含まれています。
一方で、加工食品に偏った食生活や過度な飲酒は体内の亜鉛不足になったり、豆類や穀類に含まれるフィチン酸の過剰摂取は亜鉛の吸収を妨げる原因になったりする可能性もあるので注意しましょう。

亜鉛を多く含む食品や効率的な摂取方法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
亜鉛サプリメントは過剰摂取に注意して活用する
亜鉛サプリメントは食事だけでは不足しやすい場合の補助として活用できますが、適度な摂取を心がけましょう。
用法・用量を守らず過剰摂取を続けると、銅不足や胃腸不調などにつながる可能性があります。特に複数のサプリメントを併用している場合は、知らないうちに摂取量が増えているケースもあるため、1日の亜鉛摂取量を確認しながら併用してください。
まずは食事から必要な栄養素を補い、不足分をサプリメントで調整する意識が大切です。亜鉛サプリメントの選び方や飲み方について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
体内の亜鉛を消費しやすい生活習慣を見直す

亜鉛を適切に摂取していても、生活習慣によっては体内で消費されやすくなるため注意が必要です。特に過度な飲酒や喫煙、ストレス、不規則な食生活は、亜鉛不足につながる要因とされています。
また、睡眠不足や栄養バランスの乱れは、髪の毛の生成や頭皮環境にも悪影響を与える可能性があります。サプリメントの活用に加え、生活習慣全体を見直すことが大切です。AGA対策や薄毛予防では、食事・睡眠・運動を含めた総合的なケアを意識しましょう。
まとめ
亜鉛は、髪の毛の生成や育毛サイクルに関わる重要な栄養素です。不足すると髪の毛の生成に影響する可能性がある一方、過剰摂取は銅不足や胃腸不調につながる場合があります。AGAや薄毛対策では「多く摂る」ことよりも、食事や生活習慣を整えながら適切な摂取量を守ることが大切です。













