最近、健康や美容に関心を持つ人々の間で話題になっている「イミダペプチド」。名前は聞いたことがあるけれど、その効果や正体については怪しいと感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事ではイミダペプチドとは何か、健康効果、摂取方法、イミダペプチドに関する噂や真実についてなど詳しく紹介します。この記事を読むとイミダペプチドを理解し、健康にどのように役立てられるかがわかるでしょう。
【目次】
イミダペプチドとは？
イミダペプチドは不眠不休で何千キロも飛び続けられる渡り鳥の秘密を解明した成分で、イミダゾール基を有するアミノ酸結合体の総称であり、特にカルノシンとアンセリンが有名です。
主に鶏胸肉などに含まれ、体内に吸収された後、アミノ酸に分解、再合成されますが、このプロセスが疲労感などに良い影響を与えるとされています。
イミダペプチド・イミダゾール「ジ」ペプチド・イミダゾールペプチドの違い
イミダペプチドはイミダゾール「ジ」ペプチドを指しますが、イミダゾールペプチドは少し異なります。
イミダゾールペプチドはイミダゾール基を含むアミノ酸のペプチドの総称ですが、イミダゾール「ジ」ペプチドはイミダゾール基を含むアミノ酸のヒスチジンを含む2個のアミノ酸が結合した「ジ」ペプチドの総称です。
イミダゾール「ジ」ペプチドにはカルノシン、アンセリン、バレニン、ホモカルノシンなどがあり、カルノシンとアンセリンが代表的なものとして挙げられます。
イミダペプチドの研究報告
そんなイミダペプチドが注目される理由は数々の研究結果が出ているためです。怪しいと思う人もいるかもしれませんがエビデンスはあります。以下では抗酸化作用、緩衝作用、疲労軽減、記憶機能改善について解説します。
抗酸化作用
まず抗酸化作用とは体内で発生する活性酸素を無害化し、細胞のダメージを防ぐ働きです。活性酸素は日常生活のストレスや運動、環境汚染などによって体内で生成されて疲労や老化の原因となります。
イミダペプチドは特に筋肉組織において活性酸素を効果的に除去することで、運動や長時間の活動によって発生する酸化ストレスを軽減するとの報告があります。これにより疲労回復が早まり、身体全体のコンディションを整えるのに役立つと考えられています。
緩衝作用
イミダペプチドは、筋肉の疲労を防ぐ緩衝作用を持つことが研究で明らかになっています。特に高強度の運動時にはエネルギー生成の過程で乳酸が蓄積し、これに伴って水素イオンが増加します。
水素イオンが増えると筋肉内のpHを酸性に傾け、筋肉のパフォーマンスを低下させ、疲労感を引き起こす原因となります。
イミダペプチドはこの酸性に傾いた筋肉内のpHを調整し、中性に戻す働きを持っています。この緩衝作用により、筋肉は酸化ストレスから守られ、疲労感を軽減します。
またイミダペプチドが筋肉に蓄積されているほど緩衝作用が効果的に働くと考えられるため、運動前に摂取すると良いでしょう。特に長時間運動や激しい運動を行う場合、イミダペプチドの摂取は疲労回復やパフォーマンスの維持に役立つかもしれません。
疲労軽減
ヒトを対象とした臨床試験ではイミダペプチドを継続的に摂取して主観的な疲労感が明らかに軽減されたと報告があります。
イミダペプチドは主に脳や筋肉に働きかけ、活性酸素を抑制することで疲労の原因となる酸化ストレスを軽減します。これにより疲労感が蓄積するのを防ぎ、体がスムーズに回復する助けとなります。特に長時間労働・運動を行う方や精神的ストレスを感じやすい方におすすめです。
記憶機能改善
動物実験やヒト臨床試験でイミダペプチド摂取により記憶機能を改善したという研究報告があります。
まず動物実験では、アルツハイマーモデルのマウスを2つのグループ（A高脂肪食摂取群、B高脂肪食＋イミダペプチドの同時摂取群）で認知機能を測定すると、A群では大幅に低下したもののB群では低下を抑制したとのことです。
次にヒト臨床試験では、中高齢者を対象とした二重盲検ランダム化比較試験において記憶機能を改善したとの報告があります。
イミダペプチドの嘘・ホント
イミダペプチドと健康との関連は上記以外にも多くの内容が取り上げられています。ここからはイミダペプチドと自律神経、睡眠、うつ病に関する健康情報が嘘か真かみていきましょう。
自律神経との関連
イミダペプチドと自律神経の関係については現在のところ直接的な科学的証拠は限られている一方で、イミダペプチドが持つ抗酸化作用や疲労サポートは間接的に自律神経の健康に寄与する可能性があります。
自律神経とは体内の様々な機能を自動的に調節する神経系です。ストレスや疲労が蓄積するとそのバランスが乱れやすくなりますが、イミダペプチドがあると疲労軽減や体内の酸化ストレス抑制につながって自律神経を整えることができるのかもしれません。
睡眠との関連
イミダペプチド自体が直接的に睡眠を促進するという研究は少なく、前述したイミダペプチドの疲労サポートを経て得られると考えられます。
疲労が蓄積すると睡眠の質が低下しやすくなりますが、イミダペプチドの摂取により疲労が軽減され、睡眠の質が向上する可能性があるという意味です。睡眠の質を向上させるためには、規則正しい生活習慣も大切になります。
うつ病との関連
イミダペプチドとうつ病との関連についても、直接的でなく間接的な影響があるのかもしれません。
うつ病のリスク要因には慢性的な疲労やストレスがあるため、イミダペプチドによる疲労サポートでリスクを緩和する可能性が考えられます。うつ病に対する効果を期待するには、イミダペプチドの摂取だけでなく医師による適切な治療やカウンセリングが不可欠です。
イミダペプチドの摂取方法
イミダペプチドの摂取方法には、主に食品やサプリメントがあります。食品では鶏胸肉に多く、豚ロース肉や豚もも肉、牛もも肉、カツオなどにも含まれています。
また料理をするのが難しかったり忙しい日常だったりする場合にはサプリメントもおすすめです。
サプリメントであれば成分が凝縮されているため、必要な量を手軽に摂取できるでしょう。サプリメントを飲むタイミングとしては、予防も含め日常的な疲労を感じる前や運動前、疲労が蓄積しやすい状況が有効と考えられます。
食品では過剰摂取になる可能性は高くないですが、サプリメントの場合は副作用に注意が必要です。飲用の前には必ずラベルや注意事項を確認し、適切な用量を守りましょう。
まとめ
イミダペプチドは抗酸化作用や疲労サポートなど、さまざまな健康効果が期待できる成分です。もともとは渡り鳥や回遊魚の持久力に着目した研究により、その有用性が明らかになりました。
イミダペプチドは鶏胸肉などの食品やサプリメントから効率的に摂取できますが、信頼性の高い製品を選ぶことが大切です。
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