ジオスゲニンとは？ DHEAとの違いや効果、含まれている食品など

「ジオスゲニンという言葉を聞いたことはあるけど、どんなものか知らない」という方も多いのではないでしょうか。ジオスゲニンは様々な健康効果が期待されているため、健康食品やサプリメントの成分として注目を集めています。

そこで本記事ではジオスゲニンの効果やDHEAとの違い、さらにジオスゲニンを効率的に摂取するための食品やサプリメントについて詳しく解説します。

ジオスゲニンとは

ジオスゲニンは植物に含まれる天然成分で、主に山芋類に多く含まれています。その分子式はC27H42O3であり、DHEA（デヒドロエピアンドロステロン）という性ホルモンの前駆体と類似した化学構造を持っています。

このためジオスゲニンは「植物由来のDHEA」としても知られ、ホルモンバランスに関する研究で注目されています。

DHEAは体内で女性ホルモンであるエストロゲンや男性ホルモンであるテストステロンなどの性ホルモンに変換され、健康維持やアンチエイジング効果が期待されていることから、化学構造の似ているジオスゲニンも同様にホルモンの生成をサポートする可能性があるのではないかと考えられています。

ジオスゲニンとDHEAの違い

ジオスゲニンとDHEAは化学構造が類似していることから混同されがちですが、実際には異なる物質です。

DHEAは体内で自然に生成されるホルモンの前駆体で、DHEAは加齢とともに減少し、これがホルモンバランスの乱れや老化現象の一因とされています。

一方、ジオスゲニンは植物由来の成分であり、直接的にはホルモンではなく、体内でDHEAに変換されるわけではありません。しかしジオスゲニンはDHEAと似た化学構造を持つため、間接的にホルモンバランスのサポートに寄与するのではないかと考えられています。

DHEAを直接補給する場合と比べ、ジオスゲニンは植物由来で自然に摂取できる点が特徴であり、安全性の面でも評価されています。

ジオスゲニンの効果

ジオスゲニンは性ホルモンの前駆体であるDHEAと似ていることが分かりましたが、具体的にどのような働きを持つのでしょうか。論文の研究報告がある3つの事項を解説していきます。

アルツハイマーとの関連

ジオスゲニンはアルツハイマー病の症状改善に寄与する可能性がある成分として注目されています。特にアルツハイマー病モデルマウスを用いた研究では、ジオスゲニンの摂取によって脳内で萎縮した神経の軸索が再び伸長し、記憶障害が改善されるとの確認がありました。

この研究成果はアルツハイマー病の根本的な治療法として、ジオスゲニンの新たな可能性を示唆しており、今後の研究や治療戦略の進展に期待が高まっています。

血糖との関連

ジオスゲニンは血糖コントロールに対しても有効であるとする研究結果が報告されています。

特にⅠ型糖尿病モデルのラットを用いた実験では、ジオスゲニンを投与すると高血糖状態が有意に改善され、骨格筋における糖代謝シグナルの活性化が確認されました。

これにより、ジオスゲニンがインスリン感受性や糖代謝にプラスの影響を与えるかもしれないと考えられるでしょう。

さらにジオスゲニンを含む食材を長期的に摂取した結果、高血糖の改善やインスリン感受性の向上が期待されるという報告もあります。これは糖尿病の予防や管理において有益であるかもしれません。

アンチエイジングとの関連

加齢に伴い、筋力の低下や肌の弾力の喪失、体型の変化（特に肥満）など、身体機能や外見に様々な変化が現れます。

また生活習慣病のリスクも高まるため、これらの変化の予防がアンチエイジングの重要な目的です。特に40歳を過ぎると男女ともに生活習慣病リスクが増大し、健康管理が一層求められるようになります。

性ホルモンの分泌量は加齢とともに減少しますが、このホルモンバランスの乱れが老化現象の一因とされています。ジオスゲニンはDHEAの前駆体として、性ホルモンの生成をサポートする可能性があるため、ホルモンバランスの維持を通じて、加齢による健康問題の予防に寄与することが期待されています。

ジオスゲニンを摂取する方法

ジオスゲニンを摂取するメリットが分かったところで、どのように生活で摂取すれば良いのかを見ていきましょう。

食品から摂取する

ジオスゲニンは日本人にも馴染み深い自然薯や長芋にも含まれている天然成分です。その中でも特にトゲドコロ（クーガ芋）に多く含まれているといわれており、沖縄で栽培されている琉球ヤムイモ（クーガ芋）にも関心が集まっています。

また陸上競技で高いパフォーマンスを発揮するジャマイカの選手はヤムイモ（山芋）をよく食べており、実際に選手の血液中の性ホルモン値が高いとの報告もあります。

そのような理由からヤムイモに含まれるジオスゲニンが筋肉合成をサポートし、競技力向上に寄与しているのではないかと考えられているわけです。

サプリメントから摂取する

ジオスゲニンは天然の山芋や自然薯などの食材にも含まれていますが、毎日一定量を摂取するためには食事からだけでは難しいかもしれません。

そんなときに役立つのが、サプリメントです。サプリメントはその成分を高濃度に凝縮しているため、手軽にジオスゲニンの恩恵に預かりたい方にとって便利に活用できます。

例えば多くのサプリメントはカプセルやタブレット型なので、いつでもどこでも簡単に摂取することが可能です。毎日の健康維持やアンチエイジングをサポートするのに役立つでしょう。

ただしサプリメントを選ぶ際は、信頼できるメーカーから購入し、摂取量や使用方法を守ることが大切です。また他のサプリメントや薬との相互作用についても確認し、必要に応じて医師に相談しましょう。

ジオスゲニンの摂取目安量は

ジオスゲニンの摂取量について、現時点（2024年10月）で厚生労働省が定める具体的な摂取基準は存在しません。そのため公式な推奨摂取量はない状況です。

ジオスゲニンは自然由来の成分であり、食材として摂取する場合、特定の副作用はほとんど報告されていません。ただしサプリメントとして高濃度で摂取する場合は、メーカーの推奨する使用方法に従い、安全に摂取する必要があります。

ジオスゲニンを含む健康食品やサプリメントを利用する際には、摂取量や個々の健康状態に注意し、過剰摂取を避けましょう。

また特定の健康問題を抱えている場合や薬を服用している方は、医師や専門家に相談した上でジオスゲニンの摂取を検討してください。

まとめ

ジオスゲニンは性ホルモンの前駆体であるDHEAに似た化学構造を持ち、山芋などの食品に多く含まれる成分です。健康維持に様々な効果が期待されており、特にアルツハイマーや血糖値の調整、アンチエイジングに寄与するとの研究報告があります。

摂取方法としては自然な食材からの摂取や、手軽に取り入れられるサプリメントが有効です。厚生労働省が定めた具体的な摂取基準はないものの、日常的にバランスよく摂ると良いでしょう。

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